オスロの街で見つけたピクトグラムいろいろ
非常口やトイレ、交通機関などで私たちが日常的に見かけるサインである、ピクトグラム。
ピクトグラムは、言葉に頼らずとも、それが何であるか・どのように機能するのかを教えてくれます。
私はピクトグラムを見て楽しむのが好きで、特に文化や言語の異なる場所では、ピクトグラムがどのように機能しているのか、日本とどう違うのかなど考えを巡らせたりしていました。
ピクトグラムと似た用語にアイコンがあります。
ピクトグラムもアイコンも、言語を介さずに視覚的に情報を伝えるものであることは共通していますが、ピクトグラムは交通機関や施設など公共の場で使用されることが多いようです。
アイコンはWebや紙媒体、スマートフォンのアプリなどで日常的によく見かけますよね。
ちょうど最近オスロに行ったときの話を更新しているので、今回はオスロの街で見かけたピクトグラムをご紹介します。
ぜひ一緒に見ていきましょう〜
***
まず、こちらは街中の横断歩道の歩行者ボタン。

ひとさし指を立てた手のイラストと、その下に歩く人のイラストがあります。
最初にこれを見たときは、はてさてボタンはどこにありどうやって押すのか、、?と思ったのですが、他の人がこの装置の下部についているボタンを押しているのを見て、なるほど!と思いました。
この指差しイラストは、ボタンを下から押してね、という意味なのかもしれません。
ちなみにこの装置のスイッチを下から押すしぐさ、慣れてくると結構さまになります。(正面からボタンを押すよりスマート)

そしてこの装置の黄色い部分には、歩行者の現在地と、対岸の歩道との間に島がひとつあることを視覚的に示しているようです。
凸凹があり、視覚が不自由な方も触って想像をすることができそう。
余談ですが、オスロの信号機は1つの信号機につき、同時にライトが2つ点灯します。
のちのち調べたところ、万が一どちらかの電気が切れた時対策のようです。いざという時のために一応2つ配置しておくというのは、まわりまわって歩行者や車のためになるのかもしれません。
ミニマリスト寄りの筆者としてはそういう考えもあるのだなと納得させられました。
***
続いては、オスロの街中を縦横無尽に走るトラムです。
画面左側、ドアの上部に車椅子のピクトグラムを発見。

車両のドア付近は広く確保されていて、車椅子ユーザーの方やベビーカーを押した方が乗車しやすい印象を受けました。
ちなみにこの写真は平日夕方4時頃に撮ったもの。
これが一国の首都の平日夕方の車両の混み具合であると思うと、会社員時代に内蔵を圧迫されるほどの満員電車で通勤していた身としては驚きでした。
こちらはたまたま見かけた旧車両のトラムです。

右側の柱に、ベビーカーのピクトグラムがありますね。
180度リクライニングしている様子から、ベビーカーというより乳母車といった印象ですが…
旧車両のドア付近には2〜3段ほどの段差がありました。
ベビーカーと一緒に乗車した人は、このボタンを押すと助けてもらえるのでしょうか。あるいは、ドアが開く時間が延長されるとか…?
***
続いてオスロ中央駅付近にある公立図書館・Deichman Bjørvika。

2020年にオープンした近代的な図書館です。
オスロ中央駅を出てすぐ、有名なオペラハウスの向かいにあり、オペラハウスの観光がてら立ち寄る方も多い様子でした。
ここでもピクトグラムが効果的に使われていて、表記の言語は英語とノルウェー語が主だったものの、言語が異なる人にもわかりやすい案内だったと思います。

この階には車椅子ユーザーの人、オールジェンダーへ向けたトイレ(男性・女性のピクトグラムとその両方の要素を取り入れています)があることが示されています。
ロッカーや水飲み場があり、コピー機やインフォメーションセンターがあることも一目でわかります。

これはエレベーターであると一目でわかりますが、エレベーターの扉にも「このエレベーターは上下階へ行く」ことがピクトグラムで示されていることに、利用者へのやさしさを感じました。
Deichman Bjørvikaの2階には小さな子どもが広々と遊べるスペースがあり、このベビーカーマークはベビーカーのパーキングスペースであることを示したもの。


これを見て、私はベビーカー1台分を、たたまずそのまま駐車することができるスペースが、枠組みとしてあらかじめ確保されていることに感動しました。
ピクトグラムのところに1台、ぽんっと置く感じですね。
(日本だったら「ほかの人の迷惑になるからここにベビーカーをとめないで!」とか「ほかの人のことを考えてコンパクトにたたんでとめて!」などと張り紙が貼られていそう…と想像してしまいました)
こちらは、1階のトイレ前のベビーカー駐車スペース。

それにしても、ノルウェーでみかけたベビーカーは巨大でした。
先ほどのトラムのくだりでも形がベビーカーというよりは乳母車寄りだったと書きましたが、誇張なく乳母車みたいな大きさで、体感で日本の2〜3倍の大きさだったような気がしました。
日本で暮らしているとつい端っこに寄せられ縮こまりがちなベビーカー。
堂々と駐車したり、トラムの出入り口付近に停めたりできて、それが枠組みとしてあらかじめ用意されている社会を目の当たりにして、成熟していて素敵な社会だなと感じました。
***
余談ですが、我が家のシャワールームのドアにはピクトグラムをつけています。
ただの白い扉なので、家を訪問してくれた人がわかりやすいようにという理由でつけてみました。

オンラインストア・MOHEIMさんで購入したものです。
気になる方はこちら、チェックしてみてくださいね。